司法書士と不動産の掛け算でお客様に上質の不動産取引を
株式会社笹林エスクロー【大田区蒲田】
笹林 洋平
- 司法書士兼宅地建物取引士は、ウィンウィンを生み出す
- 消費者金融から不動産業界へ
- 理不尽な板挟みからの脱却を求めて司法書士試験に挑戦
- 自分でやってみる挑戦の精神で新たな価値を提供
- これからはオーナーさんと入居者さん両方に喜ばれる賃貸部門の拡充を
司法書士兼宅地建物取引士だからこそ提供できる価値は?
司法書士兼宅地建物取引士は、ウィンウィンを生み出す
不動産業と司法書士は切ってもきれない密接な関係にあります。
不動産を売買する際は、必ず司法書士に依頼して、登記を行わなければなりません。不動産売買に関係する相続や成年後見人制度などの手続きも、司法書士の業務の範疇です。
通常であれば、不動産業者と司法書士のそれぞれに業務を依頼しなければなりません。
しかし、私はこれらの業務を一括して遂行できます。大家さんやオーナーさんにとっては、非常に助かることらしく、多くのお客様から感謝のお言葉を頂戴しております。
口コミでお客様を紹介していただくことも、少なくありません。複数の物件を所有しているオーナーさんが、リピーターになってくれることもあり嬉しい限りです
また、司法書士試験や、業務の中で得た知識を元に、法律関係のご相談をいただく事も増えています。刑事事件や債務整理などの分野も対応可能ですので、お客様の「困った」を丸ごと対応できると自負しています。
例えば、売買契約の最中に刑事事件で身柄が拘束されてしまった、勾留が長引いているなどの状況でも、司法書士の私であれば臨機応変に対応できます。
多くの物件を所有するオーナーさんにとって、遺産相続は頭の痛い問題ですが、あらかじめ隙のない遺言書を作成しておけば、いざという時にご遺族が揉める心配もありません。これらは、私が宅地建物取引士と司法書士の資格を持っているからこそ提供できる価値です。
不動産業界に入るまでの経歴を教えてください
消費者金融から不動産業界へ
私が大学卒業したのは、ちょうど就職氷河期の真っ最中でした。
4年制大学を卒業しても正社員での就職が難しく、就職できずに非正規職に就く人が非常に多かった時代です。私も多分にもれず正社員での就職ができず、非正規社員として消費者金融に就職しました。
私が遂行していた業務は、融資判断や回収などです。
ところが、私にとって消費者金融での業務は決して喜ばしいものではありませんでした。回収の業務は、少なからず心が痛みます。また消費者金融での業務は、自身の成長につながらないと感じました。消費者金融で磨かれるスキルは、業界固有のものであり他の職種に活かせないと思ったのです。そこで、宅地建物取引士の取得を考えました。
なぜ宅地建物取引士を選んだかというと、就職に有利になる上に、取得が比較的容易であると考えたからです。私は立命館大学の法学部出身ですので、法律の基礎的な知識は有しておりました。さらに消費者金融時代に培った、金融系の法律に関する経験や知識もあります。消費者金融で働きながら、勉強すること1年。無事に宅地建物取引士試験に合格できました。
宅地建物取引士試験に合格してから、不動産業界で就職活動を行ったところすぐに正社員での採用が決まりました。新卒時は、あんなに就職に苦労したのに、資格を取得しただけでこんなに楽になるんだと驚いたものです。
司法書士資格を取得しようと思ったきっかけは何ですか?
理不尽な板挟みからの脱却を求めて司法書士試験に挑戦
不動産業界で最初に取り組んだのは、賃貸管理や募集で、エンドユーザーさんとのやりとりが多い仕事です。様々なクレームにも対応してきた中で痛感したのは、「自分自身に裁量がない事の歯痒さ」です。
今でも忘れられないのは、「洗濯機のパン事件」
私が、内覧を担当した賃貸マンションの入居者さんからクレームが入ったのです。
「この部屋の洗濯パンに置ける洗濯機は、国内で販売されていなじゃないか!どうしてくれるんだ!」その物件は、1部屋の面積が小さいもので、洗濯パンも非常に小さく、通常の洗濯機を置くことができません。内覧の際に私は、「今お使いの洗濯機の設置はできない」とお伝えしまし、入居者さんも、「買い換えなければならないな」と了承していただいておりました。
ところが入居後に、「洗濯パンが小さ過ぎて、国内の全ての洗濯機は設置できない事」が発覚したのです。私が慌てて検索すると、アメリカ製の30万円の洗濯機なら設置できることがわかりました。
洗濯機能しかない洗濯機にしては非常に高額です。当然ですが、入居者さんは洗濯パンの拡張を求めました。私は、自分の非を認めて、会社に通常サイズの洗濯パンの設置ができないかと掛け合いましたが、当初は洗濯パンの取り換えに応じてくれませんでした。最終的には、会社側が洗濯パンを取り替えてくれたのですが、それまでの期間、私は針の筵にいるような心持ちです。
お客様からは責められて、会社には取り合ってもらえない。このとき「サラリーマンは辛い、理不尽だ」と強く実感したのです。
そこで頭に浮かんだのが、「更なる資格取得」です。宅地建物取引士資格を取得したとき、就職氷河期世代にも関わらず、不動産業界にすぐに転職できました。
もっと難易度が高く、仕事に直結した資格を取得すれば人生にとってもプラスになるのではないかと考えたのです。
そこで浮上したのが「司法書士」。合格率は1桁台と非常に低い上に、私の前歴や学歴も活かせる上に、司法書士の試験は実務と直結しているため、資格を取得すればすぐに戦力になります。私が司法書士試験に合格できたのは、それから4回目の司法書士試験です。
過去や現在の経験が活きていると感じることはありますか?
自分でやってみる挑戦の精神で新たな価値を提供
意外と役に立っているのが消費者金融時代に培った個人信用情報の確認方法や、攻略法です。
個人信用情報とは、各信用情報機関に登録されている個人の借入や返済の履歴です。個人が住宅ローンを申し込むと、金融機関は信用情報機関の情報を照会します。借入件数が多い場合や、「事故情報」がある場合は、審査に通りづらくなるのです。
私は消費者金融時代に、ずっと個人信用情報をチェックしてきましたので、金融機関が重視する項目には精通しています。だから、個人信用情報機関の情報を取得していただいた上で、審査の可否をアドバイス可能です。さらに、「この状態なら○年後まで審査は待ったほうがいいかもしれない」と今後の方針もお話しできます。
また、最近は増えているフリーランスや個人事業主の方に喜ばれているのが、「数字を読む力」です。私の会社は法人化していますが、経理は人任せにせず自分で行っています。だから、フリーランスや個人事業主の方の住宅ローンについても積極的に取り組めるんです。
自分で決算書を読めるため、ある程度「この銀行なら審査が通りやすい」、「この数字だと数年は住宅ローンは厳しいだろう」などと判断できます。実際にフリーランスの方に「あと3年、コツコツ所得を申告すれば住宅ローンを借りられるから、3年経ったらまたお願いします」とお話ししたこともあります。
すると、その方は3年後に私の事務所を訪れてくれました。3年間特に営業をしていたわけではありませんが、きちんと覚えていただき毎年きちんと申告して、私のもとに帰ってきてくれたのです。この時は「エビデンスの偽造に加担することなく、誠実に対応してよかった」と思ったものです。
これから目指している姿や目標はありますか?
これからはオーナーさんと入居者さん両方に喜ばれる賃貸部門の拡充を
現在は、売買を主に行なっておりますが、これからは賃貸にも進出しようと考えています。
その時に真価を発揮するのが、司法書士で培った法的知識と契約書作成能力です。昨今の不動産業界は、入居者さんに有利になるような国交省のガイドラインの策定もあり、大家さんが不利になる状況に傾きつつあります。
ですが、私はその状況に迎合することなく、双方にメリットがあるような隙のない契約書を作成することが重要であると考えています。賃貸においては、退去時にトラブルが発生することが少なくありません。その多くが、お金の問題です。
それを解決するためには、法的に隙がなく、個別の状況にマッチした「オーダーメードの賃貸借契約書」の作成が必要。
契約書の雛形からではなく、その物件に応じた契約書を作成することで、起き得るトラブルを回避できます。これは、私が司法書士だからできることです。
不動産業界では、会社の規模が大きくものをいいます。
私たちのような小さな不動産業者は、大手のブランド力にかなうわけはありません。でも、私個人のブランド力は大手不動産業者の営業マンのブランド力に打ち勝てるものだと思っています。
司法書士資格があるからこそ提供できる価値、メリットを武器に多くのお客様の信頼を勝ち得てきました。これからも、さらに私のブランド力を高めるべく様々な分野のインプットを続けています。進化し続けることが私の最大の武器。生きている限り、学ぶ姿勢を取り続けたいと考えています。
イイタン一問一答
出身地は?
生まれたのは富山、育ったのは長野県大町市、大分市、大学時代は京都です。
好きな駅は?
蒲田です。蒲田が気に入って20年間住んでいます。ちなみに実家も蒲田で、自宅と実家と勤務先が半径500Mの中に位置しています。毎晩酔っ払いが暴れているようなカオスな雰囲気が大好きです。
不動産業界の楽しさは?
売買でも賃貸でも、関係者全員がウィンウィンになるところが大好きです。全員を幸せにできる仕事だと思います。
尊敬している人は?
母です。
特技は?
バク転です。体操を習っていたわけではないのですが、小学校の頃からずっとやっています。
周りからはどんな人ってよく言われる?
変わった人って言われます。ちなみにA型です。よくB型って言われますが、血液型は人の性格には影響を与えない!僕の場合は、これまでの人生の修羅場がこの変わった性格を作ったんだと思っています。
強いていうなら何オタク?
相談オタクです。飲み友達や友達、お客様などの相談に乗るのが大好きです。司法書士としてだけでなく個人的な相談にも乗っています。
前世は何だったと思う?
一向一揆に参加しているレジスタンスだったと思います。権力に立ち向かう感じはきっとそこからきているに違いない。
趣味は?
最近の趣味は、アルコール検知器で自分の呼気のアルコール度数をチェックしながら、酔う様子を検証することです。どれくらいの量を飲んだら、どんな状態になるのかを正確に把握することで、お酒の席でのトラブルを回避できるのではと考えています。
魔法が一回使えます。何をしますか?
億万長者になる(即答)。今の人生に全く後悔などはありませんし、仕事は楽しくて仕方がありませんが、魔法が使えるなら億万長者になりますね。
編集後記
司法書士の資格をお持ちということで、とにかく法律関係の知識が深い!
さらに、消費者金融時代に宅地建物取引士、サラリーマン不動産戦士時代に司法書士の資格を取得した強いメンタルの持ち主の笹林様。
常に周囲の人にとってプラスになることを考えている姿勢には、頭が下がります。不動産業への圧倒的な情熱はもちろんのこと、数々の興味深いエピソードの連続。取材の時間があっという間に過ぎてしまい、そのまま居酒屋に移動したい衝動を抑えるのに必死になるほどでした。
司法書士資格を活かした不動産業はお客様にとってプラスしかありません。不動産取引にとどまらず、プラスアルファのサービスを求めている方は、ぜひ問い合わせしてみてください。屋外なら、特技のバク転も披露してもらえるかも!?
取材/撮影 平林 亮子/並木 いくま
株式会社笹林エスクロー
笹林 洋平
東京都大田区蒲田4-47-5 第2石井ビル302号
1998年
立命館大学法学部法律学科卒 金融機関3社にて勤務
2000年
宅地建物取引士資格取得
2001年
株式会社大京レンタル入社(現株式会社大京穴吹不動産)
2003年
司法書士試験合格
2004年
司法書士事務所勤務
2006年
司法書士笹林事務所を開業
2009年
株式会社笹林エスクロー設立
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