お客様とWIN-WINの関係を築いていく。
不動産売却でお客様の不利益にならないために。

柴田誠

  • 1990年 大学中退後、簿記・宅地建物取引主任者の資格を取って、大手不動産会社に就職。1年間賃貸の仲介を学ぶ。
    1991年 会社の経営をするにはお金を取り扱う知識と経験が必要と考え、事業者金融にて2年間勤める。
    1993年 再び不動産会社へ。営業力を磨くために1年間マンションの販売営業に身を置く。
    1994年 独立までの最後の修行の場と考えて、地元の総合不動産会社で賃貸・売買・管理・仕入れ・リフォームなど何でもありの環境に。家に関することはすべて理解できるように独立前の8年間を過ごす。その間、ファイナンシャルプランナー・不動産コンサルティングの資格も取得。
    2003年 前経営者から引き継ぎ、株式会社プレシークの代表に就任。現在に至る。

不動産業界に入った経緯は?

入り口は早く独立したいという気持ちからの流れ

私は母子家庭で育ったので、学費や生活費も自分で工面していました。学業とアルバイトの両立は正直厳しく、早く自立していつかは独立することが目標でした。ただ、今の日本の社会では高卒と大学に入学したけど中退したというのでは捉え方が全然違います。大学に入ったという実績は欲しいと思って入学しましたが、2年ほど在籍して方向性の違いから辞めることに。

その後は、自立するために何が必要かを自分なりに模索して、簿記などの資格の勉強をするために専門学校へ行ったり、さまざまな業界を調べたりしていましたね。とにかく実務を身に付けたかったからです。その流れで、これからの生き方を考えて、就職条件や勤務条件を調べ、宅地建物取引主任者の資格を取りました。

当時は資格保有者が少なかったので、資格を持っているだけで手当がもらえた上に、大手のシェア率がとても低かったため、不動産業界は独立しやすいと感じました。「何かを成し遂げたい」という自分の目的を叶えるには、この業界が良いと考えて、宅建の資格を取った後に経験を積むために不動産会社に就職しました。

すでに不動産業界に25年以上のご経歴がありますね。成し遂げたいこととは?

それは“正義”私なりに正しいと思うことを貫きたい

実は今でも不動産業は別に好きではないです……(笑)。ただ、向き不向きを考えると向いていると思います。自分が思ったことをやり遂げるために独立という方法を選びました。私がやりたいこととは、かっこよく言えば“正義”、「世の中ってこうあるべきだ」と思う理想を追求することです。

大きな会社であればより大きな仕事ができるでしょうが、やりたくないことだってやらなくてはならないかもしれない。自分をごまかして、要領よく世間を渡り歩くのもひとつの道です。でも自分はそうありたくないと。独立すれば責任と負担も増えますが、自分のやりたいことをどこまでできるかやってみたいと思ったのです。

私が不動産業界に入ったとき、この業界には変えていくべきだと思うことがたくさんありました。今でも道半ばで、改善すべきところがあると感じているから不動産業界にいるのでしょう。それは自己満足かもしれません。でも私は「あのとき、やっておけばよかった」という後悔をしたくありませんでした。できるだけのことはやったと思えるよう、今もこの業界に疑問を投げかけ、改革しようとしています。

プレシークさんでは他にはない、売却サービスをご提案しているそうですが?

これまでの経験から編み出した、お客様に正確な情報を提供し、
知ってもらうことで判断を委ねるサービス

地元の不動産屋さん×大手不動産会社1社との取り組み。そして一般媒介でも付加サービスを付けるというのが不動産売買における私の提案する新しい方法であり、私が今一番力を入れていることです。

最初は購入者のサポートをするということをメインにしていました。近頃では購入者もよく勉強をされている上に、相談できる業者も増えてきて、ある意味レベルが上がってきたと思います。

そこで、次にサポートを必要としているのは不動産を売却したいお客様だと思うようになりました。売却の頼み方でかなり損する人や、失敗する人が多いのが現状です。不動産を売るということは一生のうちでもそう何度もあることではないですよね。売買の実務についてよくわかっていない人があまりにも多く、お客様が知らないということを利用している不動産業者もたくさんいると感じています。

不動産業界にありがちな、必要な情報を出さないで良いことだけを並べて、お客様の不利益の上に自社の利益が成り立っている状況を変えたいと思っています。本当ならばもっと良い選択肢があるのかもしれないのに、聞かれないからその情報は伝えないということは今でもよくあるんです。売却したいというお客様がたまたま良い不動産業者や担当者に出会えれば良いですが、お客様に判断する選択肢がほとんどないケースもまだ多いと言えるでしょう。

例えば、専任媒介であれば、問い合わせが3件あったとしても、お客様には「問い合わせゼロ」と伝えるような業者も中にはいます。それが本当なのか嘘なのか証明することはできません。するとお客様は自分の利益を削ってでも売却しようと考えるかもしれないですよね。そうすることで業者はその物件をより売りやすくなり、回転率を上げられるわけです。そのようなことはこの業界では結構日常茶飯事なんですよ。

お客様と一緒に改革を起こしたい。多くの不動産業者にも業界に影響を与えるために賛同して欲しいと願っています。ちょうど2〜3年前からメディアなどに大手不動産会社の不正などが取り上げられるようになってきました。今になって業界を正す時代の流れがやってきたかな、と思っています。

お客様からプレシークさんが選ばれる理由は?

自社の利益は結果論で良い
誠実さがお客様から支持される理由ではないでしょうか

情報は良いことも悪いことも包み隠さず伝えることを常に心がけています。もちろんアドバイスはしますが、判断はお客様に仰ぐことが弊社のモットーです。

あらゆる情報を提示して、弊社を選んでいただければそれはそれで嬉しいことです。しかし中には私がご提示した情報を基に、売却しようとしている不動産を売らない、という判断をされることもあります。他の不動産屋さんに頼むという結論を出されたのであれば、それはそれで良いと思っています。

最初に査定のご依頼にいらしたお客様からよくいただく言葉は「こんなの初めて!」です。不動産業に限らず、それだけ客観的に情報をさらけ出しているところは少ないようです。

日本に多いのが“相談無料”という言葉。お客様もそのようなサービスを利用しようと思うことは多いでしょうが、無料では利益を上げられないので利益につながるように誘導するサービスがほとんどです。弊社の場合、相談は相談で分けて考えていて、利益につながるように無理強いはしません。利益に結びつくかは結果論で良いのです。その感覚が「初めて」という言葉につながっているのでしょう。

それでも弊社の事業が成り立っているのは、それだけ相談にいらっしゃる方が多いからです。話を聞いてみて相談をしてみたい」という査定のご依頼だけで月に30〜50件はあります。実際に相談にお見えになる方は10件ほど。もちろん「売らない」という選択肢もありますが、売ることになればほぼ100%近くご依頼いただいています。

お客様からこのような反応をいただくことに手ごたえとやりがいを感じています。相談できる不動産屋としてプレシークを選んでいただいているのではないでしょうか。

仕事の必須アイテム

バッグ

考えたのですが、特別な道具は無いです。気持ちだけで(笑)。以前はタブレットやパソコンを駆使していたのですが、道具を使うことで必要な情報をお客様にきちんと理解していただけなければ本末転倒です。ですから見せるよりもお話をじっくりとすることを心がけています。アナログ的でも理解していただくには紙媒体の方がいいと思っているので、あえて言うならそれらを入れるバッグですかね。

イイタン一問一答

Q.出身は

生まれは足立区ですが、育ちはここ千葉です。ルーツは粘り強い東北人。

Q.現在のお住まいは

幼い頃から千葉ニュータウンです。

Q.好きな駅は

最近では阪急梅田駅。終着駅が好きです。線路がそこで終わるというところが。阪急梅田のたくさんの路線が乗り入れている規模感、パワーに圧倒されました。

Q.不動産業界の楽しさとは

不動産とは違うかもしれませんが、「街」に関わることが楽しいですね。

Q.尊敬している人

竹中半兵衛。
戦国時代に活躍した軍師です。国のために自分に何ができるかチャレンジする。だけど表には出てこないという美学に自分は共感しています。

Q.イイタンについてどう思いますか

本当は写真を撮られたり、記事で取り上げられたりするのは得意ではないです。でもこの業界を変えていきたいという思いを知ってもらうプラスになれば、嬉しいですね。イイタンは世の中に普及するために効果的な媒体だと思います。

編集後記

オフィスで淡々とデスクに向かい仕事をこなす柴田社長。穏やかで少しはにかんだような笑顔も印象的ですが、しっかりとした軸があり、とても熱い思いの持ち主でした。“静かに燃える人”です。常に先を読み「ドラマはすなわち、トラブル。ドラマティックなことは日頃の業務で起こらないのが一番」というその言葉からは、とても繊細で緻密な性格も伺えました。不動産の売却はそう何度も経験するものではありません。プレシークさんには地元だけでなく日本全国から不動産全般にまつわるご相談が来るそうです。不動産の売却や購入をお考えの際は、正確な情報を提示して、お客様に理解してもらいたいというプレシークさんを訪ねてみてはいかがでしょう?
取材/和田 文  撮影/瀬野 芙美香