開業5年で住み替え3回のリピーターも。
変わったことはしていません。「営業しない営業」です。

宮本和昇

  • 2001年 数社の異業種の会社での営業経験を経て不動産業界に。営業責任者として経験を重ね、経営にも携わる。
    2012年 株式会社アレアを設立して独立。特に得意とする住まいの賃貸仲介に加えて売買仲介、店舗の賃貸仲介などにも進出。

どんな仕事を?

住まいのほか独立時のオフィスなども
ご希望のエリアなら全国対応します

いまこうして会社の代表をしているのはほとんど巡り合わせの結果で、もともと独立するつもりはありませんでした。とにかく不動産業という仕事が好きで、前の職場でも営業成績はずっとトップ。現在は賃貸と売買の仲介を、ほぼ半分ずつ担当しています。

「アレア」という社名の由来は、英語のエリア-area-(地域・地区)をイタリア語読みにしたもの。5つの鉄道路線が乗り入れ、千代田・新宿・文京という3区にまたがっているここ飯田橋に根ざしたいという思いで名付けました。会社には不動産ポータルサイトからのお問い合わせも多いですが、私個人への依頼は、過去のお客さまからのリピートや紹介が平均して3割ほど。多い月には8割の仕事が紹介経由です。

開業から5年が経ち、賃貸住宅の多くは2年契約なので、既に3回の住み替えを当社にご依頼いただいたリピーターもいらっしゃいます。以前お住まいをご案内した方が独立開業することになり、オフィスや店舗を一緒に探すことも多いですね。不動産へのご相談であれば、その都度勉強しながら何でも対応しているので、プライベートではあまり行ったことのない沖縄の物件をご紹介したこともありますよ。

1件決めるのに4、5回通う人にも付き合うって、本当?

もし長引いたら、いけないのはプロの私
ご入居まで責任を持ちます

物件を探しているお客さまの場合、8割程度は来店2回までで納得のいく物件を見つけていただけます。ただ、長引く方もいないわけではありません。知恵を絞ってもご希望に合うベストの選択がなかなか見えず、4回、5回と通っていただいてようやく決まるというケースもあります。

決断力には個人差が大きいとはいえ、私は何度でも、納得いただけるまで物件の紹介と説明を続けるようにしています。時々、いくつかの店舗で紹介を打ち切られてしまった方が半ばあきらめたような表情で当店にお越しになるのですが、私は必ず最後まで責任を持つようにしていて、喜んでいただけるのをやりがいにしています。プロの営業マンとして「多くの時間を費やしてきたお客さまに、それ以上手間をかけさせない、ここで決めていただく」という気持ちを持つことが大切だと考えています。

リピーター獲得の秘けつは?

“ありのまま”
まず私が心を開くようにしています

仕事を通じてこれまで万単位の方々と接してきた中で、私は何か特別なテクニックを使ったという記憶がないんです。ずっとトップ営業でリピートの依頼も多かったので、何度か同業者が“視察”に来たこともありますが、決まって「特別な事はしてない」と拍子抜けした顔をします(笑)。

この業界で17年目。情報もノウハウも持っているので、何か思惑どおりに進めようと思えばきっと簡単にできるのでしょうが、お客さまに対して不誠実なことは自分がすっきりしないのでやりません。

ポータルサイトを使った物件探しはごく当たり前になりましたが、ネット上で出回っている物件写真は、撮り方を工夫して“盛っている”ものがけっこう多いんです。成約済みの人気物件をいつまでも掲載していたり、肝心なネガティブ情報を小さく載せていたり、興味を引くためにあらゆる手が使われているのが現状です。私たちが見ればすぐ分かるけれど、お客さまが気付くのはなかなか難しい。そうした不動産業界のからくりまで、私は何もかも、ありのままお話ししています。もちろん、自分自身に関わることを含めてですね。

相場の価格を払うのが厳しければ妥協するといったように、住まい選びの中では客観的にどうしようもない要素が多く、いかに優秀な担当者が仲介してもそれは変わりません。なので、どうしたら事実を受け入れてもらえるか、いかに聞く耳を持っていただくかが大事になる。私がまず心を開けば、お客さまも私のことを受け入れてくれるものです。あとはテクニックもコツも要りません。

ことさら契約をしてもらうために説得する必要はないと思っています。だから私は「営業しない営業」。それでお客さまは「気持ちが楽だ」と喜んでくれて、何年かすると「また、宮本さんが仲介してください」って連絡が来るようになるんですよ。

これから目指すこと

ずっと付き合える暮らしのパートナーに

賃貸住宅の仲介でご縁ができたお客さまから頼まれて、そのほかの仲介もするようになるという繰り返しで、私は守備範囲を広げてきました。単身者用のワンルームから結婚を機に数部屋のマンション、さらにマイホーム購入と、お一人の人生の節目でお手伝いすることもあって、そのたびに感慨深いものがあります。

華やかなステージに立つ芸能人から国家機密に携わる公務員まで誰しも住まいが必要ですから、不動産業者には本当にさまざまな情報が入ってきます。せっかくなら、その立場を社会に役立つ形で生かしたいと思っているんです。最近始めたのは結婚相談所の事業。近いうちに老人ホームの紹介なども行う予定です。

支店をいくつか持ちたいという夢はありますが、あまり会社を大きくするつもりはありません。生活の基盤を提供する不動産業を軸に、ずっと付き合える暮らしのパートナーになれたらと願っています。

仕事の必須アイテム

名刺ファイルと名刺管理ソフト

これが私の財産。デジタルも便利ですが、ファイルにはあいうえお順に新しい名刺を加えながら、ずっと使い続けています。

イイタン一問一答

Q.出身は

東京都北区です。

Q.現在のお住まいは

東京都荒川区です。

Q.好きな駅は

池袋ですね。ずっと近くに住んでいて、職場として通っていた時期も長かったので愛着があります。

Q.不動産業界に入ったきっかけ

それまでも営業の仕事をしていましたが、景気に左右されることが多かったんです。生活の基本である住まいなら安定しているだろうと思ったのが、そもそものきっかけでした。実際こうして長く続けられる、良い仕事です。

Q.仕事の楽しさとは

快適な空間を見つけるお手伝いをして喜んでいただけること、不安そうに来店なさったお客さまが、だんだん安心した表情になっていくのを見られることですね。昔はさまざまな業種を転々としていましたが、不動産業は奥が深く、興味が尽きません。

Q.尊敬している人

母です。正直に生きるという私のモットーは母に教わりました。

Q.イイタンについてどう思いますか

何でもITでできるようになるほど、人から人へ気持ちを伝えることが大切になっていくと思います。実際に会うきっかけを作ってくれると期待しています。

編集後記

「特徴っていうほどの特徴はないんですよ。普通ですね」。ご自身と会社を、繰り返しそう評する宮本さん。リラックスした語り口からは、ことさら違いを打ち出して目立とうとせず、一つ一つの依頼をしっかり受け止めるスタイルで着実に歩んできた自負と余裕を感じました。
住まいやオフィスを構えたり移したりするタイミングは、往々にして人生の転機でもあります。「近くでさりげなく支えてくれる担当者がいてくれたら…」。そんな願いを持つ方に、宮本さんならきっと頼れるアドバイザーとなってくれるでしょう。
取材/相馬 大輔  撮影/瀬野 芙美香