曲がったレールを個性で磨き、自分の道を切り拓く

         

マンションリサーチ株式会社【千代田区九段北】

福嶋 真司

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  1. レールの上の歩くいい子ちゃんだった
  2. バーテンダーから営業担当者、そして不動産との出会い
  3. やりがいと中間管理職のジレンマのはざまで
  4. ネガティブ要素からの自己変革

レールの上の歩くいい子ちゃんだった

私の子ども時代は、親に敷かれたレールの上を歩くいわゆる「いい子ちゃん」でした。小学校の頃にやっていた習い事は、習字、英語、プール、ボーイスカウト、ソフトボール。親に言われたままに通っていましたので、今思い返して身になっているなと思うものがないんですよね。自分が好きで熱中していたものと言えば、ファッションです。Vogueなどの女性向けファッション誌を読むのが大好きでした。

中学からは全寮制の一貫校。生徒の多くは医者の子息で、医学部合格を目指す学校です。共学ではあるものの女子寮と男子寮の間には有刺鉄線があり、不純異性交遊を徹底的に禁止していました。寮での上下関係も非常に厳しく、まるで刑務所(笑)。

医学部に入学すべく学んでいたわけですが、私にはもう1つの夢がありました。それが建築です。造形が好きで高校に通いながら造形学校にも通っていたんです。医学部と建築学科そのどちらかを目標に頑張っていたんですが、医学部受験に失敗してしまい浪人することに。そのときに大前研一さんの本に出会い、多大な影響を受けたんです。それで、コンサルをやってみたいなと思い早稲田大学の理工学部経営システム学科に進学しました。

今思えば、当時は軸がぶれ気味なんですよね。建築を目指したり、コンサルを目指したり。結局コンサルになりたいっていうのも一過性のもので、大学卒業時は別の道を選ぶことになりました。

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バーテンダーから営業担当者、そして不動産との出会い

大学卒業後は、自分の個性を活かした仕事をしたいとバーテンダーになりました。バーテンダーになった理由は富裕層の考え方を近くで学びたい、人とのつながりを作りたいっていう甘い考えに基づいたものでした。そしてバーテンダーの仕事で知り合ったお客さまから、 セールスプロモーション系の会社を紹介されて働くことになりました。

百貨店等が主な顧客で、販促ものを取り扱っていました。小さい会社だったのでそれと同時に、生産管理もやっていたんです。中国で生産していましたので、現地に赴いて指示を出すことも。基本的に納期は守らない、不良品が多いっていう環境でしたね。営業もやりながら生産管理もやっていたので、濃い時間を過ごしました。

私がこの会社で学んだのは、営業の楽しさです。自分の力で切り拓くことに喜びを覚え、さらにステップアップしたいと考えるようになりました。もっと自分の力を試したい、大きなものを売りたいと。そこで選んだのが不動産です。

不動産業界は個人の力量がものを言いますし、扱う商材は非常に高額。それで、前職の収益不動産販売会社を選択しました。収益物件の中でも事業用不動産を取り扱う会社です。ここなら思う存分バリバリ営業ができると思ったのです。

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やりがいと中間管理職のジレンマのはざまで

収益不動産販売会社の業務は、私が想像していた以上にやりがいがあるものでした。売り上げが六百億、社員が百二十名で、ワンロットが大きい取引ばかりの会社です。私が主に取り組んでいたのはマーケティング。自社でポジションを取った収益不動産に付加価値をつけて、より高額な賃料を支払うテナントを探してくる仕事です。いわゆるリーシングというもので、個人の力量を発揮しながら、不動産の収益性を高めていきます。

私募ファンドに関わる業務も行っていたんですが、そのときの書類作りがものすごく大変だったんです。ガスを1本通すだけで書類を40、50枚書かなければならないという世界。それで勉強しなければと思い、会社法について詳しく学びました。中小企業診断士の取得を考えたのですが、中小企業診断士は幅広いため、会社法に焦点を当てているIPO実務検定を受検することに。おかげで会社法についてはかなり深く理解できるようになり、実務にも活かせるようにもなりました。

でも、すべてが順風満帆だったわけではありません。社歴が長くなれば、任せられる仕事の質も変わってきます。そこで、私は自分の短所に気付かされました。それが、周りに振り回されること、気を遣いすぎることです。

いわゆる中間管理職になり、部下と上司の板挟みになりました。結果、メンタルがボロボロになってしまったんです。そこで、ようやくこの仕事を辞めようと思いました。すごくネガティブな理由で転職先を探し始めたんです。

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ネガティブ要素からの自己変革

私は、自分の悪い部分、「振り回されること、気を遣いすぎること」に気づきそれを克服したいと考えました。そのために何が必要なのかと自分なりに考えた結果が「自己責任が強い会社」。もちろん、チームとして動くことは、会社組織では当然求められますが、自分の個性や責任で業務が推進できるという部分が強い会社がいいなと思ったんです。それから、時代の流れに取り残されずに生きていく力も必要だと考えました。旧態依然とした不動産会社にいても、得られるスキルや経験はその会社特有のものになってしまい、会社から出たら生きていけなくなると。そこで、不動産テック企業を探し始めました。

そして出会ったのが今の会社です。当社は非常に個人の個性を尊重してくれる会社で、個を出したスタイルでお客さまと向き合うことができます。私は基本的には「お客さまが絶対に損をしないこと」をモットーに提案しています。一時的にプラスになるのではなく、恒常的に利益を出し続けるものしかお話ししません。私が自信があるものだけを持っていきます。これから多くのお客さまとお話しできるのが非常に楽しみです。

前職で、自分の悪い部分と向き合ったことで、ようやく自分のやりたいことこれからの展望も考えられるようになりました。個人的な夢は、情報を発信する立場になることです。極端に言えばインフルエンサー。昔から料理が好きでしたし、ファッションも好き、住まいも好き。料理に関して言えば、パーティーで依頼を受けるほどどっぷりはまっているんです。そういった部分を個人の力で発信していけるようになれたらなと思っています。

マンションリサーチ株式会社 福嶋 真司

編集後記

福嶋さんは、一言一言石に刻むように確実な言葉を選びながらお話をされる方でした。ご自身がおっしゃる「自信がないものは売らない」というスタイルが、その話し方からもにじみ出ています。福嶋さんに任せればすべてがうまくいく!という確信が持てました。 これからの仕事のことやこれまでの人生のことなどを、もっとじっくり聞いてみたいなというのが率直な感想。今後、仕事やプライベートの活躍から目が離せません。

取材/撮影 平林 亮子/並木 いくま

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fukushima@mansionresearch.co.jp

https://mansionresearch.co.jp

2009年

バーテンダー

2011年

セールスプロモーション会社入社

2013年

収益不動産販売会社 入社

2019年

マンションリサーチ株式会社 入社

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