バブル崩壊、リーマンショック
経験を重ね行き着いたのは不動産×相続でした

         

株式会社アールグランデ【練馬区 下石神井】

伊藤 明彦

株式会社アールグランデ 伊藤 明彦

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  1. バブル期に入った不動産業界、裏方仕事で知識を蓄えました
  2. 山あり谷ありの経験は、全て今の糧に 複数社を経て独立
  3. 相続相談のNPOを設立、不動産の知見を生かした相談に対応
  4. アールグランデとの出会い、経験を糧に様々な相談に応じています

バブル期に入った不動産業界、裏方仕事で知識を蓄えました

二十代前半、居抜き店舗を借りて二年間ほど喫茶店をやっていました。時代はバブル期で、全てが右肩上がりで成長していた頃。喫茶店に来るお客さまが口にしている数字も桁外れでしたね。不動産業界に入ることになったのは、22歳という若い年齢で結婚を決意していたので、時流に乗ってお金を稼ごうという思いからでした。不動産業を目指すなら、資格を取りたい。一念発起し、勉強を開始。努力のかいあって、合格を果たしました。

資格を得たため、不動産会社に就職しようと思い求人雑誌を手にしました。「月百万円以上稼げます」など、給与の高さに驚いたことを覚えています。また、資格保有者の下限人数が法律改正により引き上げられたタイミングだったのも幸いでした。「宅建を持っているなら採用」といった会社もありましたね。時代の波にも乗れ、私もスムーズに就職を果たしました。

さあ営業して稼ぐぞと思い入社した私がすることになったのは、営業ではなく物件調査や書類作成といった裏方仕事でした。店長に「まずは違う側面から不動産のことを勉強した上で営業をやった方がいい」と言われて取り組んだ仕事でしたが、確かに覚えるべきことが山積みでした。このとき、必死に身に付けた知識は今も役立っています。与えられた裏方の仕事ができるようになったのは、一年ほど食らいついて知識を覚えた頃です。一人辞めてポストが空いたこともあり、その人がやっていた仕事を任される機会が増えました。その後、バブルが崩壊。不動産業界は、今までとまったく違う世界に突入していきました。

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山あり谷ありの経験は、全て今の糧に 複数社を経て独立

バブル崩壊後、いきなり苦難に立たされたわけではありませんでした。今とは違い、お客さまの情報源は住宅情報誌や折り込み広告程度。不動産業者との間に格差があり、情報提供が我々に求められていた時代だったんです。ネット社会の今はお客さまが自力で得られる情報が多く、求められるのは判断の手助けや手続きになりました。時代によって求められる仕事内容が異なると実感しています。

一社目の会社が残念ながら倒産した後は、複数の会社を経験しました。販売会社自体を辞めた時期もあります。当時出てきたばかりのCGパースを作りたくなったのが理由です。ただ、当時のパソコンは性能が良くなく、CGパースの作成は重労働でした。その上、競合が次々に出てきて業界がデフレ化したこともあり、不動産業に戻ります。

また別の不動産会社に勤めていたときには、まさかの社長が夜逃げするというドラマのような事態に遭遇したことも。当時は語り尽くせない大変な思いもしましたが、今振り返ると、すべての経験が自分の血肉になっていると思えますね。

2006年、知り合いに紹介されて収益物件を扱う会社に転職。会社が上場するために尽力しました。人生の中で一番仕事をした時期です。ただ、徐々に会社の方針と私の仕事の進め方とが乖離し、最終的に会社を辞めることに。ポリシーを曲げて会社勤めをするよりも、独立した方が良いと判断しました。思えば、子ども時代から集団に溶け込むことが苦手で、良くも悪くも「個」としての芯が強い。会社員としてうまく渡り歩くには場所を選ぶ人間なのだと気付きました。

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相続相談のNPOを設立、不動産の知見を生かした相談に対応

独立後、程なくしてリーマンショックが発生。倒産する会社が増え、倒産していく会社の資産処理の仕事に追われることになりました。これまで試行錯誤してきた経験が生かされましたね。経験を積んだ分だけ、選択肢の幅が広がったのでしょう。

不動産業界で仕事を続けていくのなら、どの部分を極められるのか。そう考えて始めたのが相続相談です。不動産の同業者二人と始めることにしました。NPOに必要なビジョンを考える中で見えてきたのが、「相続」の言葉の定義が当事者間でバラバラであるがゆえにもめるという気付きでした。一方では相続税を、片一方では遺産分割をと、想起するものが違うケースが多々あるのです。また、士業の先生方は毎日の業務が忙しく合理的に仕事を進めることを良しとしている方が多いものです。

そこで私は相談者の話をじっくり聞くことができる話し相手から始めることを考えました。NPOでの私の主な仕事は、いわば相続に関するセカンドオピニオン。相続と聞くと弁護士を思い浮かべる方が多いでしょうが、弁護士の役割は法的に不備がないかを確認することであり、当事者の思いの本質を聞き取るわけではありません。

しかし、相続トラブルを防ぐためには、遺言書が当事者の思いを汲み取ったものである必要があります。話を伺い、希望が反映された遺言書になっているかどうかを確認したり、希望を叶えるための案をお話ししたりするのが私の役目です。相談事には不動産を売買した方がいいのかしない方がいいのかといったことも含まれています。私が代表を務めるNPO法人「まなぶ相続」は、これまでなかった不動産と相続の相談を一カ所で担える場所なんです。

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アールグランデとの出会い、経験を糧に様々な相談に応じています

NPOでの活動の他、複数の不動産会社と業務委託契約を結んでの仕事も始めました。そのうちの一社が、私が今所属しているアールグランデです。代表の土佐社長とは、共通の知人の紹介で出会いました。第一印象は「不動産会社の社長らしくない人」。私がこれまでに接してきた不動産会社社長の多くが、押しが強くトークがうまいタイプである中、土佐社長の素朴でうそ偽りがない人柄を新鮮に感じました。その後、アールグランデに仕事を依頼する機会を得て、相性の良さを実感。三年ほど前から、アールグランデの一員として働き始めました。

一緒に働く上で相性の良い相手はそう多くいるわけではありません。だからこそ、相性が良いと感じた相手とのご縁は大切にしたいものです。土佐社長とは仕事に対する捉え方や感性が似ていると感じますね。また、私の得意な領域がアールグランデで役立てられる領域だったことも幸いでした。例えば、NPOでの相続相談の経験があるからこそできる不動産売却の相談がその一つ。弁護士と不動産会社にそれぞれ依頼する必要がなく、不動産関係の問題について一手に引き受けられる点が私の強みです。

2017年に土佐社長が立ち上げた別会社での仕事も共に行っています。この会社の事業は、発達障害児童のための放課後等デイサービスです。ゆくゆくは彼らが成長した後のグループホーム事業も視野に入れています。地方における空き家の有効活用など、社会問題の解決と収益性の両立を目指して新たな分野にチャレンジし始めたところです。この事業でも二人の強みがうまく役割分担につながっていると感じます。

時代の変化により求められる役割やベストな判断も変わるため、経験を武器にすると同時に学ぶ機会も大切にしています。今後も貪欲に強みを増やしていきたいです。

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イイタン一問一答

出身は?

東京です。3歳から22歳くらいまでは千葉県松戸市に住んでいました。

好きな地域は?

離島、特に奄美大島や与論島など、南の方にある離島ですね。年に一回程度、携帯にもあまり触らない「何もしない旅行」に行っています。とはいえ、いざ行くとカヌーに乗るなど、何だかんだ「何かをしてしまう」のですが。次に行きたいと思っているのは屋久島です。

幸せを感じるのはどんなとき?

仕事をしているとき、旅行に行っているとき。日常生活の中でも、おいしいものを食べているとき、猫と戯れているときなどに幸せを感じています。

好きな食べ物は?

昔から好き嫌いが激しくて、そもそも好きなものしか食べないんですよ(笑)。妻がベジタリアンで私は野菜嫌いなので、外食時には食べないものを交換しています。

趣味は?

読書。ちょっとしたスキマ時間に読めるのがいいですね。

周りからどんな人と言われる?

本心はみんな直接言ってこないのではないですかね。変わり者と思われているのではないかとは思います。子どもの頃から協調性のかけらもなくて、群れて遊ぶことがなかったです。「あいつ、変なの」と思われていた気がします。学生時代は「みんなで」が重要な要素でしたからね。

強いていうなら何オタク?

秘密です(笑)。

世の中で一番怖いものは?

特にないですね。ものというより、「知らないこと」が怖いです。分からないから不安になり、怖さにつながると思っています。

休日の過ごし方は?

4匹飼っている猫のお世話係をしています(笑)。

編集後記

バブル期、バブル崩壊、リーマンショック。時代の波とともに、悲喜こもごもな経験を積み重ねてきた伊藤さん。苦労を重ねてきた背景を持ちながらも「どれも血肉になっていますよ」と軽妙に語る姿に、重苦しくなりがちな悩みであっても相談しやすい雰囲気を感じました。豊富な経験に加え、精力的に学び続ける姿勢も伊藤さんの強み。今後、ますます対応できる相談の幅が増えていくのではないかと感じました。

取材/撮影 卯岡 若菜/並木 いくま

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株式会社アールグランデ

伊藤 明彦

〒177-0042 東京都練馬区下石神井5丁目6番31号

横浜オフィス
〒231-0005 神奈川県横浜市 中区本町3-24本町中央ビル406

03-6915-9525

ito@r-grande.co.jp

http://www.r-grande.co.jp

1988年

宅地建物取引士資格試験 合格

1989年

都心の新築住宅販売会社(売買仲介)

1999年

任意売却、業者卸不動産(建売用地等)仲介
収益不動産仲介

2006年

収益不動産購入販売、証券化業務等

2008年

不動産コンサルティング業務開始(独立)

2012年

NPO法人まなぶ相続設立(相続相談業務開始)

2017年

株式会社アールグランデ 入社

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