命を守る家
免震住宅をもっと多くの人に知っていただきたい
インベイックス株式会社【杉並区和泉】
齊藤 健二
- 独立を視野に入れて、必要なものを吸収するために転職した
- 人を大事にしたい
働く人が気持ちよく仕事をして、お客さまに安心していただける会社に - 目指しているのは
土地にあった間取りの命を守る家 - 免震の家が分譲住宅の標準になることを目指して
会社を設立する前はどのような仕事をしていたのですか?
独立を視野に入れて、必要なものを吸収するために転職した
もともと私は、特に不動産業界を目指したわけではなく、とにかく独立して経営者になりたいという思いが強かったです。
父親に連れられて、新築の家を建てている現場に行くことも多かったのと、いつか実家の稼業を継いだ兄と一緒に仕事ができたらいいという思いもあったので、建築や不動産に興味を持ちました。
目標は27歳で独立することでした。私の頭の中にあったのは、ゴールを目指して、今何をするべきか、ということです。一番最初に就職した会社で、3年かけて、契約して建物を建て、お客さまに引き渡した後のアフターフォローまで、販売に関する仕事をマスターしました。次に土地の仕入れについて学びたいと考え、転職をしたんです。その後、以前の上司に声をかけていただき、再度転職。マネジメントも学びました。全ては独立するための準備段階でした。
ある先輩に「自分の夢や想いを秘めてはいけない」と言われたことがありました。自分の考えや思っていることを出して出して、出し尽くしたアイデアで成功するものだと。それを実行していって、もちろん失敗したこともありますが、独立する前に様々なシュミレーションを体験できたと思っています。そして、そこで出会った人たち何名かは、今の会社で一緒に働く仲間となりました。
どのような想いで会社を創立しましたか?
人を大事にしたい
働く人が気持ちよく仕事をして、お客さまに安心していただける会社に
2015年 11月19日に設立しました。私が37歳の時です。前職で店長に就任し、中途半端に投げ出すわけにもいかず、しばらくその会社に在籍することになったので、当初の目標からは少しずれましたが……。
どのような会社を作ろうと考えたかというと、一番最初に来るのは、やはり“人”でした。
不動産業界は、人の出入りが激しい業界でもあります。今まで経験してきた職場では、高いお金を払っているから一生懸命働くのは当たり前、使えない人は必要ない、と考える人も中にはいて、それが本当に嫌でした。
ですから、自分が会社を作ったときは使い捨てではなく、一緒に同じ夢を見ることができる、人を活かし、人を大事にする会社にしたいと思いました。
そしてもう一つは、お客さまに安心して住んでいただける家をご提供することです。引き渡したら終わり、「保証期間が切れてしまっているので」「建売なので、こんなものです」と言って逃げるような家の売り方はしたくありませんでした。それは私だけでなく、すべての担当者に根付いた理念でなければなりません。サービス一つを取ってもお客さまに喜んでいただける会社にしたいと思っています。
どちらにしても要は“人”ですね。
インベイックス株式会社が提供する家とは、どのような家なのでしょう?
目指しているのは
土地にあった間取りの命を守る家
家を建てるとき、大手の量産の戸建住宅は、間取りがある程度決まっていているんです。土地を家に合わせる考え方で、極端に言うと、「この間取りに合うのであれば、土地を買いますよ」というスタンスなんです。私たちは、土地に合わせて一棟一棟間取りを引き、いびつな土地にも合った家を建てています。間取りは、私たちの物件の売りの一つです。
それから、ちょうど東日本大震災が起こる少し前に、子供が生まれまして。このかけがえのない命を、なんとしても守りたいという気持ちを強くしました。姉を白血病で亡くしていることもあり、命に対しては臆病なのかもしれません。新しい命が誕生した一方で、震災が今までにないような大きな被害をもたらし、たくさんの犠牲者が出た現実に、人の儚さや命の大切さを感じました。
時代の流れとして、制震金具や地震の揺れを吸収するようなものが出始めたころでもあります。免震の商材も出たばかりで、まだこの業界でもあまり知られていませんでした。
私は、免震マット商材を扱う社長さんと出会い、その方の考え方にとても共感しました。その商材を取り入れて、人の命を守る家づくりをしていこうと思い立ったのです。
現在の企業としての活動、今後の展望についてお聞かせください。
免震の家が分譲住宅の標準になることを目指して
耐震・制震はもちろん、免震に対しても私たちは注目し、ご提供しています。耐震と免震の違いは、耐震とは丈夫な家。免震とは、そもそも揺れを伝えない家です。地震のダメージを受けにくいので、次の日から普通に生活ができるというメリットがあります。ただ、現在の日本の法律で国が認めているのは、耐震止まりなんです。また、どうしても多少のコストアップにはなるので、なかなか浸透しにくいのが現状です。
普通、免震というと、ボールベアリングを柱の下に入れたりするものや積層ゴムが知られていますが、それは工事費が300万〜500万円ほどするんです。今、インベイックス株式会社で取り扱っている免震マットは、100万ほどででき、コスト的なメリットがあります。
またボールベアリング方式は、マンションのように上物が重い場合は有効ですが、戸建住宅のように重さの軽い家は、効果を出しづらいというデメリットもあります。私たちがご提案する免震マットを利用した免震の家はまさに戸建住宅に適した建築方法だと言えるでしょう。
ご購入を考えられるお客さまは、果たして本当に効果があるのか、という心配もあると思います。通常、重要な構造・防水の不具合の責任期間は、10年保証が一般的ですが、私たちはお客さまにご安心いただくために、最長60年の長期保証をつけさせていただいています。これも私たちの免震の家に自信があればこそです。
日本という地震大国における免震住宅の良さと必要性を、より多くの方々に知って取り入れていただきたい。そのためには、一般大衆向けに、免震の家を供給し続けることが大事です。誰もが標準基準で手に入れられる免震住宅を、お伝えしていくことが私たちの使命だと考えています。
イイタン一問一答
出身は
埼玉県秩父市です。
現在のお住まいは
埼玉県所沢市です。
好きな駅は
武蔵小杉。会社を立ち上げるときに、仕事の関係でよく通ったのですが、近年の開発の早さには驚いています。
不動産業界に入ったきっかけは
いい家を建てたいという思いがありました。そのために入った会社が戸建建設業でした。当時は土地付き建物は不動産業に分類されたので、入り口はそこです。
不動産業界の楽しさは
注文住宅でも、土地でもなく、戸建分譲住宅が好きなんです。自分が企画した家に人が住んでくださって、喜んでいただくことが喜びです。
また、その土地を一番活かした計画をすること、土地を輝かせるという楽しさのある仕事だと思います。
尊敬している人は
松下幸之助ですかね。あの人の本はよく読みました。でも……真似はできないですね。戦後成功した経営者の話は、現代で再現するのはなかなか難しいなと感じています。
イイタンについてどう思いますか
素晴らしい!私が考えつけばよかったです(笑)。
編集後記
日本は災害の多い国です。特に地震はいつどこで起こっても不思議はありません。大切な家族を、生活を守るための家について、私たちも真剣に考えなくてはならないと思います。「お金持ちだけが住むオプションではなく、誰もが当たり前のように免震住宅に暮らすようになればいい」と語る齊藤社長からは「命を守りたい」という言葉がなんども発せられました。インベイックス株式会社が提供する、免震住宅。ぜひマイホームご購入や、買い替えをご検討されている方は視野に入れていただきたいですね。免震住宅が当たり前になる日が、そう遠くないことを願っています。
取材/撮影 和田 文/並木 郁磨
インベイックス株式会社
齊藤 健二
東京都杉並区和泉三丁目13番地17号
2000年
飯田建設工業株式会社(現 一建設)入社
2003年 4月
アサカワ住販株式会社(現 アスティーク)入社
2004年 5月
タクト建設株式会社(現 ホーク・ワン)入社
2015年 11月
インベイックス株式会社 創立
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